小児歯科

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「初めての歯医者さん」のタイミング

「初めての歯医者さん」のタイミング

口の中に異常があれば、いつでも診せに来ていただければと思います。まだ歯の生えそろわないうちは、お母さまがきれいにしてあげるだけでも十分です。目安としては、6~7ヶ月頃の下の歯が2本生え始め際に一度診せていただき、さらに下の前歯が生えてきた頃にまた一度診せていただくといいかなと思います。

下の歯が生えてきたら、その歯にフッ素を塗ります。また、その歯を診ることによって、上の歯の生え始めの時期や、歯茎の状態などをお母さまにアドバイスすることもできますので、ひとつの目安としていただければ幸いです。

歯医者さんを嫌いにさせないための取り組み

ご自宅で「歯医者さんは怖いとか痛いとか、言わないようにしてください」とお母さまにはお願いしております。 物心がつく幼稚園や小学校に行き出すと、家族以外の情報で歯医者さんが嫌になってしまうことはあります。しかし、極力嫌な印象をお子さまに与えないように、「歯医者さんは、歯をきれいにしてくれるいいところ」だと思っていただけるよう、ご協力をお願いしております。

お子さまのむし歯を防ぐために身につけておくと良い知識

お子さまのむし歯を防ぐためには、3歳までにあまり甘いものを食べさせないことが肝心です。これは、3歳頃にむし歯菌が定着するためです。

また、食事の摂り方で大切なのが、「姿勢」です。身体をまっすぐにして食事を摂らないと、口が歪んでしまう原因になります。授乳する時にも、またお子さまがいすに座って食べるようになる際にも、身体をまっすぐにすることを意識するようにしてください。足を床にぴたっとくっつけた状態で食べ、よく噛むことでむし歯を防ぐことができます。

乳歯のむし歯を放置するリスク

乳歯のむし歯を放置するリスク

乳歯のむし歯を放置してしまうと、第一に歯並びが悪くなる原因になります。たとえば、むし歯で通常より乳歯が早く抜けてしまうと、永久歯が生えるスペースいっぱいに生えてしまい、結果的に歯並びが悪くなってしまいます。乳歯のむし歯があれば放置することなく、すぐに処置を行うことが大切です。

また、乳歯のむし歯はあまり痛くないようで、ご両親に言うことが少ない傾向があります。そのため、お子さまがあまり硬いものを食べなくなったり、硬いものをよく噛まないで飲み込んでいたりしたら要注意です。その他、軟らかいものばかり食べることで、歯並びだけではなく、顎や身体の成長にも関係してきます。お子さまの食事のアドバイスも行っていますので、気軽にご相談ください。

年齢別の陥りがちな歯のトラブル

0~3歳

0~3歳

0~3歳は、歯が生え始める時期です。歯が生えてくる際には皮を破って出てきますので、お口の中は清潔に保つようにしましょう。3歳くらいまではむし歯になりにくい時期でもありますので、歯のトラブルはまれです。ただ、指しゃぶりは骨の変形にもつながりますので、3歳くらいにやめたほうが良いでしょう。

3~6歳

3~6歳

3~6歳は逆に、むし歯になりやすい時期になります。特に、乳歯の臼歯の間は、一番むし歯になりやすい場所です。上の前歯の間もむし歯になりやすい場所なので、お母さま方が注意して磨いてあげることが大切です。

6~12歳

6~12歳

6歳頃になると6歳臼歯と呼ばれる、第一大臼歯が生えてきます。それがむし歯になる可能性が高いので、注意しましょう。6歳から12歳は永久歯への交換期で、生え代わりの時期でもあります。生え変わった歯がしっかりと生えてくるまでの間に、むし歯になることがあるのでこちらも注意が必要です。

そして12歳頃には、6歳臼歯の後ろに第二大臼歯が生えてきます。その頃には、親があまり口の中を見られなくなります。たとえば夜、自分の部屋でコーラを飲んでそのまま寝ちゃう…といった生活スタイルによるむし歯の危険性も増えます。また、その頃になると歯肉炎を発症する場合もありますので、合わせて注意していきましょう。

お子さまの食生活へのアドバイス

授乳時期

授乳時期には、ミルクや母乳の与える「姿勢」がとにかく大切です。まっすぐとした姿勢で与えることを意識しましょう。

離乳時期

離乳時期には、離乳食を食べ始める時期でもあります。その際にも、いすにしっかりと腰掛け、足が床に着いた状態で食事を与えるようにしましょう。離乳期に食事をスプーンで与える際、そのスプーンの位置は、子どもが自発的にかぶりつくようにする位置で与えるのもポイント。口唇の筋肉を鍛えるように、奥まで与え過ぎないことが大切です。

乳歯が生えそろう時期

乳歯が生えそろう時期には、自分でスプーンを持って食べる時期にも入っているかと思います。しっかりと、よく噛むことを意識して、食事をするように促してあげましょう。

仕上げ磨きのポイント

仕上げ磨きのポイント

むし歯には、好発部位というものがあります。これは、「むし歯ができやすい部分」という意味です。

お母さまが仕上げ磨きをする前に、お子さま自身にもやらせて、その後、歯科医院や市販のものでもいいので、赤い染め出し液を使用して、磨き残しの部分を仕上げ磨きしてあげるといいですね。その際、歯ブラシは仕上げ磨き専用で毛先がきれいな歯ブラシを使うようにしましょう。

歯垢がいっぱいつきやすい好発部位を集中的に磨いてあげると、短時間でお子さまも嫌がらないのでいいかと思います。特に磨けていないのが、歯の裏側と、上の奥歯のほっぺた側です。重点的に磨いてあげるようにしましょう。

お子さまがけがをした時の対処法

お子さまがけがをした時の対処法

お子さまが口の中をけがして血が出た場合、まずは水で流すようにしてください。唇のあたりだけでしたら、そんなに心配はありません。しかし、口の中の方までけがをして、筋肉の方まで達している場合には、歯科医院か、一般外科で縫合してもらうようにしましょう。

歯を打った場合には、念のため歯科医院でレントゲンを撮ってもらった方が安心でしょう。もし、けがで歯が折れたり、抜けたりした場合には、水で洗っていただき、牛乳につけてすぐに歯科医院にお越しください。再植できる可能性もありますので、すぐにでも歯科医院に行くことが大切です。その際には、歯の根っこの部分にはさわらないように注意してください。これは、お子さまの歯の根っこの部分にある「歯根膜」を傷つけないためです。

逆に、歯がぐっと見えないくらい、歯ぐきに入り込んでしまった場合には、歯科医院か外科でレントゲン、あるいはCTを撮るようにしてください。いずれの場合も、すぐに歯科医院や病院で診てもらうことが大切です。

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